【2025年最新事例】顧客インサイト分析でWebサイト改善へ。やすらぎの森オートキャンプ場様のAIログ活用術

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【2025年最新事例】顧客インサイト分析でWebサイト改善へ。やすらぎの森オートキャンプ場様のAIログ活用術

Webサイトのリニューアルは、多くの企業にとって大きな投資です。しかし、「本当にユーザーが求めるものは何か?」という問いに、確固たるデータもなく感覚的に進めてしまうケースは少なくありません。

今回ご紹介するのは、長野県信濃町で人気のやすらぎの森オートキャンプ場様の事例です。AIチャットボットSymphony BaseをWebサイトに導入して2年。その間に蓄積されたログをもとに、ユーザーが真に求めている情報、つまり顧客インサイトを取得し、漠然としていた課題を可視化して、データに基づいたWebサイトリニューアル戦略を構築されました。

本記事では、AIが収集した「顧客の生の声」という貴重なデータが、いかにして具体的で説得力のある改善プランへと進化したのか、「Webコンテンツ監査」をもとにしたそのリアルなプロセスをご紹介します。

Webコンテンツ監査とは?

Webコンテンツ監査とは、サイト上のすべてのコンテンツを精査し、ユーザーのニーズやビジネス目標に合っているかを確認するプロセスです。各ページやセクションごとに情報を調査し、重複や古い情報の整理、不足している内容の洗い出しを行います。

GA4やSearch Consoleでは、『どのページが見られたか』や検索クエリなどは把握できます。Symphony Baseを活用したWebコンテンツ監査は、さらに一歩進んで、ユーザーが対話をするかのようにAIに投げかけた質問のログ分析から、これまで見えなかった「顧客の生の声」を直接収集できます。

このアプローチにより、推測ではなく実際のユーザーの声に基づいた、説得力のあるWebサイト改善戦略を構築できるのです。

特に、AIの普及により顧客の検索行動も変化しています。従来の『子連れ キャンプ場』『キャンプ場 おすすめ 季節』といった単語検索から、『子連れでも安心して利用できるキャンプ場ですか?』『空いていて気候がよいおすすめの時期はいつですか』といった文章での質問が増えており、Symphony Baseはこうした自然な表現から顧客の本音を捉えることができます。

では、実際の現場ではどのような課題があり、このWebコンテンツ監査がどう活用されたのでしょうか。やすらぎの森オートキャンプ場様の事例を詳しく見てみましょう。

課題:顧客インサイト不足による感覚的なWeb改善

やすらぎの森オートキャンプ場様では、Webサイトの情報が古くなっているという課題認識はありつつも、具体的にどこから手をつけるべきか、その優先順位付けに明確な指針を持てずにいました。具体的には以下のような課題や不安です。

  • 担当者の肌感覚頼りの改善案 現場スタッフが感じる「おそらく、この情報が足りないだろう」という仮説はあるが、それが本当にユーザーが最も困っていることなのか、客観的な裏付けがない。Web担当者が少数で、「自分の判断で本当に良いのか」という不安を抱えながら、上司への提案根拠も曖昧なまま改善を進めるしかない。
  • 投資対効果への不安 データに基づかないリニューアルは、ユーザーの真のニーズとずれる可能性がある。多大なコストをかけて本当に効果が出るのだろうか、という不安。
  • 見えない顧客のインサイトGoogleアナリティクスでは「どのページが見られているか」はわかるが、「ユーザーがどんな質問を抱えて訪問したのか」「どの情報を求めているのに見つけられずにいるのか」という、行動の裏にある具体的な疑問や課題がわからない。

「リニューアルを成功させるために、顧客の本音を正確に捉え、確かな一歩を踏み出したい。」

それが、今回のWebコンテンツ監査を用いたプロジェクトの出発点でした。

解決策:AIログ分析による「顧客インサイト」の可視化

解決の鍵は、Symphony Baseに蓄積された、ユーザーからの数千件に及ぶ質問ログでした。従来のサイト内検索では「料金」「アクセス」といったキーワード検索が中心で、うまく情報にたどり着けないユーザーも多くいました。しかし、AIチャットボットでは「子供連れでも安心して利用できますか?」「雨の日はどうすればいいですか?」といった、普段の会話と同じような自然な質問をそのまま投げかけることができます。

この会話形式だからこそ、ユーザーの本当の悩みや知りたいことが素直に表現され、これをAIで分析することで、これまで見えなかった顧客インサイトが次々と明らかになりました。

ステップ1:課題の分類

まず、ログデータを分類します。

1.「AIが回答できたが頻繁にされる質問」=
「見つけにくい情報」
2.「AIが回答できなかった質問」=「存在しない情報」

これにより、サイトの課題が2種類あることが明確になりました。

  • 導線の課題(見つけにくい情報): 「お風呂やシャワーはありますか?」という質問は、実に777回も記録されていました。これは、サイト内に答えがあるにも関わらず、ユーザーがそれを見つけられずにいる「導線の問題」を示唆しています。

  • コンテンツの欠落(存在しない情報): 「料金」「キャンセルしたい」といった質問にAIは回答できていませんでした。これは、予約の意思決定に不可欠な情報がサイト上に「存在しない」という、より深刻な問題を示しています。

ステップ2:GA4では見えない「なぜ?」の発見

次に、特定の質問がされた時期を分析。この過程で「今は営業中ですか?」という質問が、シーズンが始まる4月に集中していることが判明しました。これは、サイトに書かれた情報だけでは安心できず、直近の営業状況を知りたいという「季節特有のユーザーの不安」を浮き彫りにした、Webコンテンツ監査ならではの発見でした。

ステップ3:顧客の多様なニーズパターンの発見

さらに分析を深めるため、ユーザーの質問内容から「どのような顧客層のニーズがあるか」をAIに分析させました。すると、単純な属性分けでは捉えきれない、多様なニーズパターンが浮かび上がってきました。

主要な顧客ニーズパターン(一部を抜粋)

このように、実際のユーザーの言葉を基に顧客ニーズを体系化することで、誰に、何を、どのように伝えるべきか、コンテンツ戦略の解像度が一気に高まりました。

成果:データが導き出した、具体的かつ優先度付けされた改善プラン

この多角的な分析を経て、最終的にWebサイトリニューアルのための詳細な「実施報告書」と「提案書」が作成されました。

重要なのは、全ての改善提案が「なぜなら、ログには〇〇というユーザーの問いがあったからです」という、誰もが納得できる客観的データに裏付けられている点です。

提案された改善プラン(一部抜粋)

【優先対応:即座に実施可能な改善】

優先度改善項目ログデータからの根拠対応方針
「料金」ページの作成「料金」という予約の前提となる質問に回答できていない新規ページ作成で完全解決
「施設案内」ページの写真拡充「お風呂・シャワー」に関する777回の質問既存設備の詳細写真追加
ペット歓迎の情報強化「ペットOK?」の頻繁な問い合わせペット歓迎方針とルールの明確化
予約受付時期の明確化利用者からの頻繁な問い合わせ受付開始時期の明記 / ニュースレターへの誘導
新規利用者の来訪ハードルを下げる「食材は?」「キャンセルは?」といった不安「モデルプラン」作成

【代替案対応:制約内での最適解提示】

ニーズ

制約

代替案

レンタル品の充実

地方立地のため運営効率上困難

hinataレンタルサービスとの提携案内の強化

これらの提案は、現場スタッフの皆様が肌で感じていた課題感とも一致するものであり、「自分たちの感覚が、データによって裏付けられた」「自信を持ってリニューアルを進められる」という、強力な合意形成にもつながりました。

Webコンテンツ監査の真の価値は、多様なニーズを発見するだけでなく、限られたリソースの中で顧客満足度を最大化する戦略的判断を支援することにあるのです。

まとめ:Webコンテンツ監査は、サイト改善への「確かな一歩」

今回の事例は、Symphony Baseのログデータが、単なる質疑応答の記録ではなく、顧客を深く理解し、ビジネスを成長させるための貴重な資源であることを示しています。 

Webコンテンツ監査は、

  • Webサイトの課題を客観的に可視化し、
  • 行動の裏にある顧客インサイトを発見し、
  • データに基づいて改善の優先順位を決定し、
  • 組織内の円滑な合意形成を促進します。

貴社のWebサイトは、本当に顧客の声に応えられていますか? Symphony Baseを活用したWebコンテンツ監査で、その確かな一歩を踏み出してみませんか。

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